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これは高校3年時に書き始めた「日記」の断片を主題に沿って抽出したものである。ちなみに「日記」は1990年6月3日から万年筆によって書き始めているが、本の冒頭では2篇の自作詩を書き添えている。誤字脱字や括弧の付加以外の文章は当時のままである。
1990年12月7日(金)
私は今まで夕方に教習所に行っていました。入校したのは7月6日です。それから今日の卒業までかなりの日数がかかってしまいました。その間、いろいろなことがありました。それから、いろいろな人にも久しぶりに会ったりもしたのです。前に“ある場所で”という表現をしたと思いますが、それは全部ここでしょう。今まであまり気分的に書きたくなかったのです。
でも今は全て終わって何もかも隠す必要がなくなったのです。今日はHくんと一緒で、月曜日には免許を取りに水戸まで行きます。あとは筆記試験だけですので簡単です。夏は例の“アマチュアナイト”の練習のためにずっと行くことができず、毎日行きだしたのは9月の下旬です。それからはほとんど学校が終わると教習所通い。私は本当に行きたくなかったのですが、行かないことには終わらないし、行くのは気がめいるという毎日だったのです。この場所でS.Hに会ってとうとう2、3回で姿を見ずに卒業してしまいました。最近入校したSくんはなかなか車に乗ることができずに1段階で1ヶ月以上かかりました。それも乗りこし。昨日ようやくみきわめを終えたのです。私が入ったときはH.Sくん、T、M.TくんやT.Yもいました。そんな人たちもあたり前の話ですがとうにいません。メンバーは次々と替わっていきます。Hくんと私はずいぶん古い人間なのです。冬はまたこみだすからたいへんです。雪も降ることだし…。
先日、K書店に足を運んだとき、うめずかずお先生のコミックスの『アゲイン』という本を2冊買いました。200円で! その本の巻頭にはこんな文章が書かれています。
《しゅん馬も老いては、だ馬にもおとる。老いとは生を受けた者にとって何という残酷な仕打ちだろう。どんなすばらしい馬でも、年とって老いてしまうと、くだらない馬よりもだめだということだ。そうするとそのくだらないだ馬が老いるとどのようになってしまうのだろうか? 何という悲しいたとえだろう。過ぎ去った日々が、返られないものかと思うとき、この物語は始まる。そのことばは、もう一度…。アゲイン…》
(途中略)
この『アゲイン』というまんがは、かずお先生がシリアスなサスペンス路線からコメディーに変えるという中間のもので、半々の内容になっています。夕焼けの美しさにうっとりしてエンディングになるこのマンガはかずお先生のまんがを研究するには重要な証拠として残るでしょう。『おろち』シリーズから『恐怖』『怪』から『アゲイン』ときて、『まことちゃん』になる長い歴史の中で先生がどんな気持ちを変化させていったのか他人にはわかるわけがありませんが、一つ一つの本のテーマはしっかりとはあくすることができると思います。
※アマチュアナイト…横浜・本牧のアポロシアターで行われていたアマチュアの音楽コンテスト。
〈了〉
(2010.10.21)

